化学工学論文集
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希薄ラテックス懸濁液の膜濾過モデル
平田 繁松本 幹治大矢 晴彦
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1991 年 17 巻 5 号 p. 955-962

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抄録

希薄懸濁液の膜濾過において単一粒子により閉塞される細孔面積を比閉塞細孔面積Ab, また閉塞される細孔数を比閉塞細孔数nbとして評価し, その概念をHermans-Bredeeの完全閉塞濾過モデルに導入することにより, 膜構造が膜細孔の閉塞特性に及ぼす影響について考慮した新しいモデルを提出した.ラテックス粒子懸濁液および種々の膜による濾過案験を行い, この新しいモデルに基づいて解析した結果, 同一粒子に対する膜閉塞濾過特性は膜表面の細孔形状および細孔密度に大きく依存し, 濾過される粒子は膜表面の細孔部に優先的に堆積することがAbにより評価できた.円形細孔を有する膜ではAbを評価することによりnbが算出できることを明らかにし, 従来の閉塞膜面積基準および閉塞細孔数基準の2種類の完全閉塞濾過モデルを関係づけた.またAbと膜表面開孔率Apから, 膜閉塞濾過において濾過できる粒子の限界量, すなわち最大閉塞粒子数Nbを概算することができた.

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