化学工学論文集
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中空糸膜を用いたガス吸収器による火力発電所排ガス中のCO2除去に関する基礎研究
松本 曠世北村 光鎌田 敏弘西川 信行石橋 道生
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1992 年 18 巻 6 号 p. 804-812

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抄録

中空糸膜を用いたガス吸収器による火力発電所排ガス中のCO2除去を目的として一連の基礎実験を実施した。その結果.CO2-MEA (モノエタノールアミン) 系では, 多孔質膜の総括物質移動係数Kは, 多孔質膜と均質膜によりなる複合膜のそれに比べて約10倍大きく, 本系では多孔質膜が適していることがわかった.
CO2-MEA系について中空糸膜ガス吸収器の物質移動機構を明らかにし, 膜に濡れが生じていない場合には, Kの推算ができることがわかった.またテフロン膜は疎水性が高いのでMEAによる濡れが生じないことを約4000hに及ぶ連続実験により確認した.
中空糸膜ガス吸収器の総括容量係数Kaは, 従来方式である充填塔の5倍以上あり, 本法を適用することにより吸収部を小型化できる見通しを得た.

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