化学工学論文集
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低密度粒子を含む三相流動層の流動・物質移動特性に及ぼす微量アルコールの影響
宮原 敏郎李 明燮
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1992 年 18 巻 6 号 p. 971-974

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抄録

著者らは, これまでの三相流動層はガラスビーズを代表とし, 比較的密度の大きい粒子を用いて検討されてきたことから, ポリスチレン, ナイロン, 活性炭粒子のような密度の小さい粒子を用い物質移動特性, 混合特性, 気泡特性を検討してきた.しかし実際のプロセスでは系が界面的に汚染された場合が多く, 水溶液中の界面汚染物質は微量でも流動特性や物質移動特性に大きく影響することが指摘されている.この理由をScrivenらは界面汚染物質が気液界面での界面張力勾配を生じるMarangoni効果によるものと説明している.アルコールはこのような界面汚染物質の一例である.アルコール添加の諸物性に及ぼす影響についてはこれまで気泡塔に対しては多い.たとえばKelkarらは炭素数1~4のアルコールを用い気泡塔のガスホールドアップを検討している.しかし気泡塔に対する研究とは対照的に三相流動層に対する研究は少なく, 特に低密度粒子を含む三相流動層に対する研究は見あたらない.
本研究では気液界面汚染物質の一例として液中に微量のエタノールを添加し, 低密度粒子を含む三相流動層のガスホールドアップ, 層頂を離脱する気泡の大きさ, 混合拡散係数および物質移動容量係数を実験的に検討し, 非汚染系の結果と比較検討した.

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