化学工学論文集
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溶融状態のベンゼンスルホン酸触媒によるメチルターシャリーブチルエーテル気相生成速度
井土 忠厚水田 徹後藤 繁雄
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1993 年 19 巻 6 号 p. 1067-1073

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抄録

溶融状態のベンゼンスルホン酸 (融点45℃) を触媒として, メタノールとイソブチレンからの気相MTBE (メチルターシャリーブチルエーテル) 生成反応を60~120℃, 大気圧下で行った.メタノールの触媒への溶解のために反応速度は温度およびメタノール分圧によって著しく変化した.反応条件下における触媒へのメタノールの溶解量を測定し, メタノールの溶解にともなう触媒の酸強度の変化を指示薬アントラキノンおよびベンザルアセトフェノンを使って調べた.反応速度はこの様な触媒の酸強度の変化を考慮して補正した.これらの反応速度の温度およびメタノール分圧依存性はイオン交換樹脂を触媒として得た結果と一致した.更に, 触媒にメタノールが溶解することにより副生成物 (ジイソブチレン) の生成が抑制されることをみいだした.担体上の触媒の状態を走査型電子顕微鏡で観測した.

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