1993 年 19 巻 6 号 p. 1165-1170
細孔構造の異なる3種のシリカゲル (SG) および活性炭 (AC) の純水蒸気, 純エタノール蒸気の減圧下, 303~383Kにおける吸着平衡の測定を行い, 既往の結果との比較ならびに本吸着系のヒートポンプへの適用性の検討を行った.
1) 両吸着質ともSGの吸着平衡曲線はその細孔分布とよく対応しており, ミクロ孔単分散, 二元分散のそれはそれぞれ低相対圧域および低相対圧と高相対圧の2域で急峻な立ち上がりを示す.スーパーACの工タノール吸着平衡は低相対圧域で立ち上がり, その吸着容量は通常の活性炭の6倍以上を示す.
2) SGの水蒸気吸着量は温度の上昇とともに減少する.また, その吸着熱は細孔が小さいほど大きい.
3) 細孔径の小さいSG・AC/水蒸気系, スーパーAC/エタノール系は吸着ヒートポンプ組み込み吸着系として適用できる。