化学工学論文集
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PUF流動床による生物処理の初期特性
透析排水処理を目指して
豊田 淳神吉 達夫浅野 強村上 光正前田 嘉道
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1993 年 19 巻 6 号 p. 1179-1183

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抄録

透析排水は透析液, 体内からの排出物, 透析治療の事前事後に行なう消毒洗浄に使用する殺菌剤および洗浄水を含む溶液である.この中で生物処理対象物質である透析液には, 重炭酸型と酢酸型があり, 現在, 重炭酸型透析液が多用されている.重炭酸型透析排水のBOD値は無糖型で500~800mg/l, 有糖型で1000~1300mg/lと高い有機汚濁性を示し, 殺菌剤として主にNaOCIを多量に含有している.この種の殺菌剤は, 生物処理の事前に除去されるのが一般的である.
著者らは, このような高BOD透析排水の高効率微生物処理法の確立を目的として, 多孔質ポリウレタンフォーム (以下PUF) を担体とした流動床法について高密度有機質資化微生物による処理特性を検討している.フォーム担体を用いた生物流動床法については, 村上, Cooperら, 府中ら, その他の研究があるが, 培養初期過程での処理特性および微生物増殖挙動は必ずしも明らかにされていない.本研究では, その第一段階として重炭酸型無糖透析排水を対象に, 培養初期過程でのPUF流動床法の微牛物処理特性を明らかにした.

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