化学工学論文集
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Fe (CO) 5の気相熱分解による鉄超微粒子の作製と磁気特性制御
沢田 善秋景山 芳輝岩田 政司原田 茂久田崎 明
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1994 年 20 巻 3 号 p. 367-372

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抄録
Fe (CO) 5を原料とする気相法鉄超微粒子の製法において二次粒子長さの制御方法および磁気特性制御について検討した.本法で得られた二次粒子長さの分布は, ほぼ対数正規分布に従いその幾何標準偏差は, 1.3~1.9であった.二次粒子長さは, 一次粒子径と密接な関係があり, 一次粒子径が大きいほど二次粒子長さが長い.二次粒子長さは, 一次粒子径の制御と同様に原料濃度, 滞留時間および原料予備分解率により制御が可能である.二次粒子長さは, 主反応管に印加する磁場強度の影響を受け0.15T以上の印加磁場で一定の長さとなる.一次粒子径が20~25nmの時に鉄超微粒子粉体の保磁力が最大値120kAm-1を示す.磁気記録材料の再生出力を大きくとるために必要な角型比Br/Bmは, 二二次粒子長さが長いほど大きい.本法により得られた鉄超微粒子を用いて試作した磁気テープおよびフロッピーディスクの静磁気特性は市販ゲーサイト法鉄超微粒子とほぼ同等の性能であった.
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