1994 年 20 巻 6 号 p. 758-765
石炭変換技術として, 新規に提案したドラフトチューブ付き噴流層型装置を用いて約800℃という比較的低温, 常圧下における石炭ガス化による水素製造を研究した.本装置は, 1) ガス化部の流れ (粒子及びガスとも) が栓流である, 2) 石炭の分級が不必要, 微粒子の混入も問題とならない, 及び3) 出口ガスはガス化による生成ガスのみであり, 従来使用されている酸素のかわりに空気を使用することができるという特長を持っている.1 kg/hの石炭処理を想定したコールドモデル実験を経て, 石炭チャーを供給して, 実際にホットモデル実験を行った.その結果, 水素及び上酸化炭素の含有率が80%以上の反応生成ガスを得ることができた.