化学工学論文集
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石炭ガス化触媒の活性
生成ガスの影響
西山 誼行寺田 和彦
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1994 年 20 巻 6 号 p. 793-798

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抄録

石炭の触媒ガス化では, 触媒が反応中に生成するガスやタールに曝される.本研究では生成ガス類が触媒の活性に与える影響を知るため, 1-40cmの充填層による積分型反応器方式を用い, 常圧800℃で水蒸気ガス化を行った.一定時間の反応量を水蒸気濃度で補正して反応性の目安とし, 触媒担持と無触媒とを比較した.無触媒では充填層高が大きいと反応性が低下したが, ナトリウム触媒では低下が僅かであり, カルシウムや鉄では無触媒とナトリウム触媒との中間的な振舞が見られた.太平洋炭やLoy Yang炭では, 触媒の有無に関わらず出口でのCOとCO2の比は水蒸気分圧と平衡であり, 充填層の下流域でシフト反応が進むことが分った.これに対し無触媒やニッケル触媒担持Blair Athol (BA) 炭ではシフト反応はあまり進まなかった.また, BA炭から発生するタール分はニッケルや鉄の存在下で急速に分解した.

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