1994 年 20 巻 6 号 p. 813-819
一つのガス化室内で燃焼・ガス化反応を同時に行う一室二段反応型気流層石炭ガス化炉では, 上段バーナから供給した粒子の滞留時間が効率を左右するため, この算出方法の開発が必要である.そこで, 乱流中に存在する粒子は乱流場の変動により見かけ上濃度勾配にしたがって拡散すると仮定し, 粒子の運動方程式と拡散方程式を連立させて粒子濃度を算出し粒子滞留時間を計算する手法を開発した.本計算手法により, 平均粒子滞留時間に及ぼす上段ガス量及び出口径の影響が求められた.
また, ガス化炉の流れを模擬した常温常圧のモデル炉を用いてパルス応答法により粒子滞留時間を実測した.本計算手法により得られた結果と実測値を比較した結果, 両者には良好な相関が得られた.