1994 年 20 巻 6 号 p. 805-812
連続式ジェッティング流動層ガス化炉 (内径, 78.1mm) を用いて, 太平洋炭乾留チャーのガス化を行った.グリッド部と呼ばれるガス送入部付近のガス濃度分布を実測し, 燃焼・ガス化反応の相対的寄与を検討した.このとき, グリッド部での複雑な温度分布による影響を解消するため, 乾留チャーをアルミナで, ノズルより送入した空気を窒素で希釈した.ジェット内では燃焼が, アニュラス部では水性ガス化反応がそれぞれ支配的であった、ジェット-アニュラス間のガス交換速度は速く, 温度の影響をほとんど受けなかったことから, グリッド部の濃度分布はガス化速度の違いによると推測した.さらに, 既報のバッチ式ガス化炉 (内径43.0mm) における実験結果との比較から, スケール効果についても言及した.塔径を変えたとき, ジェット内ではほとんど同じガス濃度を示したが, アニュラス部での生成ガス濃度は顕著な違いがみられた.