化学工学論文集
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化石燃料燃焼における亜酸化窒素の生成機構
守富 寛鈴木 善三池田 道隆鈴木 康一鳥飼 欣一
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1994 年 20 巻 6 号 p. 849-856

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抄録

地球温暖化及びオゾン層破壊ガスとして着目されている亜酸化窒素 (N2O) の化石燃料燃焼過程からの生成機構を明らかにするために, 小型回分式実験装置を用いて, 化石燃料及びそれらを乾留したチャー中の窒素分のN2への転化率を比較することにより, 熱分解に伴う一次揮発分によるN2O生成への寄与を検討した。また, 気相反応区間の滞留時間を短くすることにより, 一次揮発分及び燃焼に伴う二次揮発分の気相反応による寄与を分離し, チャー粒子表面での気固反応のN2O生成への寄与を検討した。その結果, 本実験条件範囲の1073Kの燃焼温度では, 概ねチャー粒子表面での気固反応のN2O生成への寄与は0%~30%程度と推定された.気相反応については, 1073Kまでに放出される揮発分を一次揮発分としてN2O生成への寄与を求めたところ, 燃料中の揮発分量に比例して20%~30%程度であり, 二次揮発分は40%~70%程度と見積もられた.

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