化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
鉄鉱石焼結プロセスにおける炭材燃料構造の最適化による窒素酸化物発生量の低減
葛西 栄輝齋藤 文良
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 20 巻 6 号 p. 857-864

詳細
抄録

鉄鉱石焼結鉱の製造過程におけるNOx発生量を低減することを目的として, 複合化したコークス粒子の燃焼実験を行った.調製した複合コークス試料は, 1) Ca (OH) 2とFe2O3の混合粉および合成calciumferrite (CFs) 粉の付着層を持つコークス粒子と, 2) 石炭と鉄鉱石粉を混合し, 乾留して作成した金属鉄含有コークスである.Ca (OH) 2と) Fe2O3の混合粉の付着層を持つコークス粒子の燃焼における燃料中NのNOxへの平均転化率は, 通常のコークス粒子に比較して小さい.CFs粉の付着層を持つコークス粒子では, さらに平均転化率が低下する.Fe2O3, CFsの存在により873から1393Kの温度範囲でCOによるNOのN2への還元が促進されることを確認した.
また, 金属鉄含有コークス試料では, 乾留過程でNの含有量はかなり低減し, 燃焼中のNOxへの転化率も減少する.本方法により, NOx発生量は通常のコークスに比較して50%程度低減可能である.

著者関連情報
© (社)化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top