1994 年 20 巻 6 号 p. 894-901
熱エネルギーを利用するCO2-GDLの開発を目的とし, 本レーザー発振に必要な高温高圧ガスを容易に制御して供給するための燃焼装置として, 火炎が空間を伝播する伝播燃焼器を開発することとした.その第一段階として常圧下における燃焼範囲および火炎伝播特性について実験的検討を行い, 本燃焼方法の基礎特性を検討した.
その結果, 比較的広い当量比の範囲で伝播燃焼が生じ, 制御可能なターンダウン比として燃焼器出口部開口比1/1で約48, 開口比1/40.3で約40を実現すること, およびその燃焼速度は一般の予混合気の層流燃焼速度に比較して最大で約15倍の燃焼促進されることが明らかとなり, 本燃焼器の高負荷化に対する可能性が示唆された.また, 燃料希薄領域で生じる伝播燃焼の周期および燃焼速度は供給ガスの平均流速で正規化することよって, 当量比に対して一意的に決まることが明らかとなった.