化学工学論文集
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合成ガス-D2Oを用いるジベンゾチオフェンの水素化脱硫反応
Yuan C. Fu石黒 勝也秋吉 亮山本 光義小谷川 毅
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1994 年 20 巻 6 号 p. 941-945

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抄録

本研究では, 合成ガスとスチームを使用して含硫モデル化合物の水素化反応を調べた.
ジベンゾチオフェンを石油系溶剤とNiMo/Al2O3触媒存在のもとで合成ガスとスチームを使用して高圧下673Kで水素化脱硫反応を行った.水素を使用した場合に比べて活性は低いが, 合成ガスのH2/COモル比が高いほど水素化脱硫反応は進んだ.また水量として, H2O/COモル比が0.3~0.6程度が望ましく, 活発な水性ガス転換反応が同時に起こった.さらに合成ガス-水系の気相水素と水の水素化脱硫反応中における役割を検討するために, H2-CO-D2OとD2-CO-H2Oの系で反応を行い, 重水素の系内における移行を調べた.どの系の反応においてもシクロヘキシルベンゼンとビフェニルの重水素化物が生成された.また溶剤, ガス生成物と未反応物にも重水素が取り込まれていた.H2-CO-D2O系ではD2Oと反応物の水素一重水素交換のほかに, D2OとCOの水性ガス転換反応から活性重水素が生成され, さらに重水素化生成物とHD, D2のガス生成物を生成することがわかった.従って合成ガス-D2O系において水性ガス転換反応によって生成した重水素は, 気相水素とともに水素化脱硫反応と水素一重水素交換反応に寄与しているものと結論された.

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