1994 年 20 巻 6 号 p. 952-958
石炭ガス化プロセスにおける石炭・水混合物 (CWM) の熱的前処理プロセスを開発することを本研究の目的とする.開発されたプロセスにおいてはCWM中の液状水が熱的前処理装置で急速に蒸発され, 熱的前処理装置の出口では石炭微粒子と水蒸気とから成る) 二相流が得られた.この固気混相流は噴流床型石炭ガス化炉に原料として供給できると判断された.また, 簡略化された石炭ガス化プロセスの解析から, 本研究でCWMの熱的前処理プロセスを石炭ガス化プロセスに組み込むことにより冷ガス効率の上昇, 酸素原単位のかなりの向上が期待されることが明らかにされた.以上の結果から必要な熱回収が適切に行われるならば, 本研究で提案されたCWMの熱的前処理プロセスは石炭ガス化効率の上昇に有効であると結論された.