化学工学論文集
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マルチリング媒体型超微粉砕装置による炭酸カルシウムの粉砕特性
浜田 憲二仙名 保
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1995 年 21 巻 2 号 p. 334-340

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抄録

新しく開発したマルチリング媒体型超微粉砕装置を用い重質炭酸カルシウムの粉砕において所定のメジアン粒径を得るための回転速度と粉砕時間の関係を表す経験式が得られた.さらに, 砕成物の化学的性質の変化を調べるため, 粉砕直後のスラリーのpH値を測定し, その水素イオン濃度から, 見掛けの溶解度の変化速度kを求めた.同時に砕成物をX線回折ピークの積分幅より格子不整の程度を見積もった.その結果, 回転速度の違いによるk値の差異は砕成物の結晶構造の乱れの度合いに関係し, メカノケミカル効果が要因の一つであることがわかった.また, 粉砕による比表面積の増大とメカノケミカル効果の増大の速度は必ずしも同様の変化を示すとは限らないことも明らかとなった.

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