化学工学論文集
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SrTi1-xMgxO3-δ 触媒上の酸素イオン欠陥生成及びメタン酸化カップリング反応における酸化剤の種類と触媒特性
黎 暁紅冨重 圭一藤元 薫
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1995 年 21 巻 6 号 p. 1024-1031

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抄録

SrTiO3触媒のTi4+の代わりにMg2+を添加することにより調製した SrTi1-xMgxO3-δ触媒上に吸着した酸素種は, 700K 付近の低温におけるメタンの酸化カップリングに非常に有効な酸化剤であることを見出した.しかし, SrTi1-x MgxO3-δ触媒上の酸素吸着サイトはH2Oにより大きな吸着阻害を受けることがわかった. また SrTi0.4Mg0.6 O3-δ 触媒と SrTiO3触媒を用いて, 1100K程度の高温での CH4-O2, CH4-H2O, 及び CH4-CO2 反応におけるメタンのカップリング反応活性を調べたところ, いずれの反応も C2 炭化水素生成が触媒的に進行し, これらの触媒が有効であることを見出した.酸化剤が O2及び H2O の時, SrTi0.4 Mg0.6 O3-δ 触媒の方が, C2 炭化水素生成活性・選択性の両面で優れた触媒であり, それに対して, CO2 を酸化剤として用いた場合はその逆の傾向であった.これらの活性及び選択性は, Mg2+ の添加により生成した酸素イオン欠陥と酸化剤の相互作用が大きく関わっていると考えられる.

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