化学工学論文集
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半導体高密度接続バンプの形状制御
近藤 和夫横山 光紀福井 啓介
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1997 年 23 巻 6 号 p. 780-788

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抄録

高密度接続バンプの形状はカソードの電流密度分布に支配される.分布を実験と数値解析とで検討した.
分極曲線から, 線形, Tafel, 拡散律速の電位領域に分類した.線形領域では, 表面過電圧が支配的なため電流密度分布は均一となるが, 成長速度が遅い.Tafel領域では, 電解液の抵抗が支配的となり分布が不均一となる.キャビテイ巾が100μm以上と大きい場合は周辺部が凸となり, 小さい場合は分布が均一で中央部が凸となる.
拡散律速領域では, 剥離渦が電流密度分布を支配する.剥離渦はカソード上への物質移動の抵抗となる.キャビテイ巾が100μmでPe数が1410, 7311と増大すると, 上流部コーナーでは剥離渦が下流側へと成長し, 上流部の電流密度分布に窪みを生じた.また下流部コーナーでは剥離渦が小さくなり, 電流密度分布が増大する.一方, キャビテイ巾が30μmでPe数が44,500では, 大きな単一渦を発生し, 単一な盛り上がりを中央に有する分布となる.

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