化学工学論文集
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管型反応器における溶媒を添加したスチレン重合反応の実験およびシミュレーションによる評価
長迫 透島田 学片山 和彦奥山 喜久夫
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1997 年 23 巻 6 号 p. 796-803

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抄録

ポリマー重合反応に及ぼす溶媒の影響について, 反応器内の物性や転化率の不均一性を考慮した検討を行った.実験では, 壁面を加熱した鉛直円管型の反応器にスチレンモノマー, 溶媒, 重合開始剤を混合した原料を層流で流し, 出口でのポリマー転化率を測定した.その結果, 重合開始剤を含んだ120℃以下での重合反応では, 開始剤を含まない場合と比較して溶媒添加による転化率の低下の割合が小さくなることがわかった.また, 反応器内の液の物性の温度や転化率などに対する依存性および重合反応による発熱を考慮して, 反応を伴う流動・伝熱・物質輸送の数値計算を行うことで, 実験値の傾向がよく説明された.この計算結果から, 溶媒の添加により反応器内の流動状態が変化して, スチレンの滞留時間と転化率の分布に変化が生じることが示された.このことより, 溶媒添加の影響を解析するためには, 反応器内の分布を考慮した輸送現象の評価が重要であることがわかった.

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