CWP (Coal Water Paste) は, 加圧流動層ボイラ用の燃料として用いられている.本研究では, 常圧の小型流動層可視化炉を用いて, 流動層炉内におけるCWPの燃焼形態について観察実験を行うと共に, 炭種およびCWPの調製条件による燃焼形態の違いについて検討した.観察実験の結果, CWPの燃焼形態は炭種によって次の3種類の形態に大きく分類できることが明らかになった.1) CWPを構成する石炭粒子が, 燃焼混合の初期段階 (主に水分蒸発過程) で分散し, 流動層媒体内に混合して燃焼が進行する分散燃焼形態.2) 全燃焼過程において石炭粒子群が凝集体として燃焼が進行する塊状燃焼形態.3) 塊状燃焼の形態をとるが, 火炎燃焼時に石炭粒子凝集体が揮発分による内部圧の上昇に起因すると思われる破裂を起こし, 凝集体が細かく分裂する形態.石炭の分析結果との比較から, これら燃焼形態の違いは主に石炭の粘結性 (るつぼ膨張指数) によるものであることが明らかになった.また, 全水分量ならびに石炭の粒径分布などCWPの調製条件も燃焼形態に影響を与えることが明らかになった.