化学工学論文集
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ナトリウムイオンおよびアンモニウムイオンの多孔質ガラスにおけるイオン交換平衡
藤吉 一誠
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1997 年 23 巻 6 号 p. 942-946

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抄録

ナトリウムイオンおよびアンモニウムイオンを多孔質バイコールガラス粒にイオン交換法により298Kにおいて吸着させた.固体酸において酸性度の異なる複数種のイオン交換サイトが存在し, それぞれがイオン交換平衡を維持することを前提としたイオン交換量の推算式を提示した.イオン交換量の推算値が実験値と一致するように行なわれた数値解析により, 2つのイオン交換平衡が示され, 見かけのイオン交換平衡定数および有効酸量が算出された.これによりナトリウムイオンおよびアンモニウムイオンの交換量の推算が可能となった.また, ナトリウムの見かけのイオン交換平衡定数は酸性度指数pKaで6.41および8.72に相当し, 多孔質ガラスがかなり弱酸性の二塩基固体酸であることが分かった.このような多孔質ガラスの酸性度はgeminal型およびvicinal型シラノール基に起因し, isolate型はイオン交換に寄与しないと考えられた.

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