1998 年 24 巻 4 号 p. 597-602
メタンを燃料とする1MW固体酸化物燃料電池 (SOFC) のセル, モジュール及びシステムの設計を行った.広い作動温度, スチームカーボン比 (S/C) 条件範囲における出力特性を明らかにし, システムを投入コスト, エネルギーの観点から評価を行った.過電圧, 電解質抵抗の値としては現在1000℃で得られている値が低温でも得られるとしてSOFC発電特性値を計算した.熱力学データをもとに計算した発電効率は, 低温作動になるほど高い値となった.低温化による安価材料の使用, 装置小型化, 燃料原単位の向上により, コスト, エネルギーペイバックタイム (CPT, EPT) は短縮されることが明らかになった.また, 低S/C作動もCPT, EPTの低減に重要であることがわかった.評価の結果, SOFCシステムの実現のためにはS/C=1.0~1.5で800℃以下の作動条件を目標にすればよいことが明らかになった.