1998 年 24 巻 4 号 p. 620-627
各操作タスクを実行するステーションへ原料物質の入った容器 (槽) を移動させて, 製品製造の各工程を順次実行するパイプレスバッチプラントは, 設備の規模とともにプラントの運用方法によって生産性が大きく影響を受ける.それゆえプラントの設計にあたっては, 各設備の静的な特性とともに運用方法をも考慮にいれて設計する必要がある.本論文では, まずこのように設計要因が複雑に絡んだパイプレスバッチプラントの設計問題の特徴について考察した.つづいて設計案の提案とシミュレーションを使ったシステム解析による設計評価をくりかえす実用的なプラント設計手法を提案し, 具体的にモデリング部, シミュレーション部, 評価部から構成された設計支援システムを開発した.このシステムではいろいろな代替案のパフォーマンスをすべて簡単にシミュレーションで確かめることができる.最後にこの支援システムの有用性を例を使って示した.