抄録
化学プラントの異常において, すべての種類の対策立案を支援することは困難であるが, アクチュエータ固着やセンサ故障などの異常に対するオペレータの対策立案の問題は制御ループ構成問題と同様なアプローチでの支援が適用できると考えられる.オペレータは一部のコントローラをマニュアルに変更して直接制御を行うが, その操作はやはり観測値を用いて行なわれる.人間は一度に多くの情報を処理するわけではなく段階的に考慮していくので, その対策立案の過程は制御ループの再構成と対応づけられる.本論文では, 制御対象を容易に計算機に登録する方法として0, 1要素からなるCE行列の形でデータ化する.この表現により制御系の組み合わせを計算機に提案させる手法を提案する.提案された方法により様々なアクチュエータやセンサ異常などに対して対応策を可能にする道が開けた.