1999 年 25 巻 6 号 p. 827-831
ゼラチン中に粒径10nmの金微粒子を分散し, 532nmのパルスレーザー光を5分間照射したところ粒径が3nm以下に減少し, 金微粒子がゼラチン中に均一に分散した.粒径変化にはしきい値が存在し, 90mJcm-2以上のレーザーフルーエンスで変化が観測された.また, 照射パルス数が多いほど金微粒子はゼラチン中に均一に分散した.粒子が分裂する結果, 単位体積当たりの粒子の個数密度を10倍以上に増加させることができた.固体中でもレーザー光の照射エネルギー密度,照射パルス数, および媒体を変化させて粒径, 粒径分布, 分散状態を変化できる可能性を示した.