1999 年 25 巻 6 号 p. 878-883
沿面コロナ放電装置を用いた直結型と分離型の2つの異なるイオン化CVD装置を製作した.直結型イオン化CVD装置でTEOS/O3-APCVD膜をsi基板上に形成したところ, 膜が沈着する箇所としない箇所がmm間隔で交互にでき, その結果沈着部分は等高線のような模様を描いた.これはイオンが基板に沈着したことによるチャージアップが原因と考えられる.分離型イオン化CVD装置では, ほぼ厚さの均一な膜が基板の全面を覆った.この装置では, イオン化により1hあたりの成膜量が1.3~1.5倍増加した.また, 膜の表面形状は沿面放電を行わなかったときには, 等方成長を示し流動性が見られないのに対し, イオン化をした場合には反応管内の全ての位置において高い流動性が確認された.また, イオン化しないときにガス中に発生するナノメーターサイズの粒子は, イオン化によりその発生が抑制された.