1982 年 8 巻 1 号 p. 59-64
二重円筒内部照射型光反応器を用いて, アルカリ水溶液中における鉄シアノ錯塩の紫外線照射による分解反応を行い, 分解反応過程は中間生成物であるアクアペンタシアノフェライト (II) [Fe (CN) 5H2O] 3-を経由する, 0次-0次の逐次型分解機構で進行することを明らかにした.このさい生成する水酸化第二鉄の沈殿を系外へ除去することによって, 鉄シアノ錯塩を完全に分解することができた.分解速度は反応温度の影響が少なく, 溶液のpHおよび紫外線吸収量の影響を受けた.