化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
エネルギー積分法によるベナール対流の解析
井上 義朗伊藤 龍象
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 9 巻 2 号 p. 116-122

詳細
抄録

エネルギー積分法を用いて層流のベナール対流を解析し, 得られた計算値と今までの実験値を比較することによりその有効性を調べた.
攪乱の波数と温度の空間的分布とがレイリー数に依存することを考慮することにより, 従来のエネルギー積分法を改良し, 広いレイリー数域にわたって精度の良い解を得た. 臨界レイリー数と臨界波数は0.13%以内で厳密解と一致した. レイリー数が臨界レイリー数より大きくなると, 攪乱の波数や温度分布中のパラメータを決める付加的な条件が必要となる. 本論文では, そのような条件として5種類の条件を取りあげ, 計算結果と実験値との比較を行った. その結果, ヌッセルト数最大条件を用いた場合には, 平均ヌッセルト数, 平均温度分布, 最大流速の各実験値とよく一致することが解った. しかし, 波数に対しては, いずれの条件も満足な結果を与えなかった.

著者関連情報
© (社)化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top