化学と教育
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セラミックスの話 : スペースシャトルから自動車エンジンの化学(化学への招待)
曽我 直弘
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1987 年 35 巻 2 号 p. 138-141

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抄録

新しい材料は我々の生活様式を変え, 新しい文明をもたらす。ものを造ることと最も深いかかわりのある化学は, その主役を演じる。これはセラミックスの場合も同じである。化学変化には熱の出入りが必要であり, それを利用して土器に初まるいろいろなセラミックスが生みだされた。スペースシャトルの耐熱タイル, 光通信用の光ファイバー, 自動車のターボチャージャーやエンジンなどの新しいセラミックスでは, 高純度の人工原料が使われ, 複雑な製造過程で作られる。そのすべての段階で化学が必要である。セラミックスの特性は, 化学結合力や, 原子やイオンの並び方などの化学の知識で理解でき, より優れたものを開発する指針を与える。ここでは具体例のいくつかを示しながら, セラミックスにおける化学の重要性を述べる。

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© 1987 公益社団法人 日本化学会
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