化学と教育
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レーザーと CD(<特集>おもしろい光化学 : 基礎から応用まで)
中村 賢市郎
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1987 年 35 巻 5 号 p. 402-405

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抄録

1960年ヒューズ研究所のMaimanがルビーの二準位間の遷移を利用してLaser (Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation : 放射の誘導放出による光の増幅作用)発振に成功して以来, レーザーはその単色性, コヒレント性, 高エネルギー密度を利用して, ホログラフィー, レーザー加工, 高速高密度記録, ラマン等の分光分析, さらにはUの同位体分離などと各種分野に広く応用されてきた。一方1962年GE社の研究所のHallらがGaAsのp-n接合を用いて半導体レーザーの発振に成功した。このレーザーは液体窒素温度でしか発振しなかったが, 1970年になりAlferovやHayashiがGaAlAsのダブルへテロ構造で常温レーザー発振に成功し, この後急速に半導体レーザーが伸展した。この半導体レーザーは小型性, 可変調性などの特徴から主に光通信, 情報記録分野に使用され, さらにCD (Compact Disk)で代表されるDAD (Digital Audio Disk)に1982年応用されて以来, 新しいレーザーの利用分野を広げていった。ここではこれらレーザーとその一つの応用分野のCDについてその原理や材料について記述する。

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© 1987 公益社団法人 日本化学会
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