化学と教育
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エレクトロニクスと有機物 : 液晶と液晶表示を中心に(化学への招待)
松永 義夫
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1988 年 36 巻 4 号 p. 374-377

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抄録

エレクトロニクスの発展に伴い, 用いられる素子はますます小型化しつつある。将来, 有機分子をこれに活用する時代が来ると考えられて, その方向に向けた色々な研究が取り上げられ始めた。その概況にふれた後, すでに実用化されている液晶表示を中心に解説を行う。まず, 液晶が結晶と液体の中間に位置する物質の状態であること, そして液晶を形成する分子の特徴, 液晶における分子の独特な並び方について述べ, ネマチック液晶の流動性と複屈折を巧みに利用した表示のメカニズムを説明する。さらに, スメクチック液晶や液晶高分子を用いた記録方法, カメレオン印刷で知られているコレステリック液晶の温度差を色の違いに変換する働きにもふれる。

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© 1988 公益社団法人 日本化学会
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