化学と教育
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染色化学の基礎(化学への招待)
木村 光雄
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1988 年 36 巻 6 号 p. 586-589

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抄録
人間, 誰しも自由で気楽なのがいいに決まっている。好きこのんで窮屈なストレスのたまるところへ行きたがる人はまずないであろう。ところが, 染色の場合は染料分子が染浴という気楽な暮らしを捨てて, 繊維の非晶領域という窮屈な塀の中へ, 先を争って飛び込んで行くように見える。これは少しおかしいのではないか?染料分子だって人間と同じ, 自由なところの方が居心地は良いはずだ。そういうことに気が付けば, 今まで悩まされてきたエントロピーやエンタルピーがわかりやすくなる。本稿は界面物理化学の一分野として難しいものとされてきた染色化学の理論を, 一般の人にわかりやすく解説することを試みたものである。
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© 1988 公益社団法人 日本化学会
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