化学と教育
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8. 加賀藩の産業・工芸の史跡と遺品(化学風土記 : わが街の化学史跡)
中西 孝日吉 芳朗本浄 高治
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1991 年 39 巻 4 号 p. 420-424

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抄録

加賀百万石と一般にいうところの藩域は加賀, 越中, 能登のいわゆる加越能三州からなり, 現在の石川・富山2県のほぼ全域にわたっていた。その藩政期を通じて越中・五箇山の秘境で, 秘密のベールに包まれながら生産されていた塩硝は, 質・量ともに当時日本一の座にあったといわれる。また, 加賀藩はその初期から美術工芸品の製造を奨励していた。金箔製造は幕府の禁令で中断を余儀なくされた期間を経て幕末に密造レベルから再開され, 九谷焼も不可解な中断の後に幕末に再開され, ともに変遷を重ねながら現在の美術工芸王国・石川の産物の一翼をになうに至っている。

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© 1991 公益社団法人 日本化学会
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