1995 年 43 巻 10 号 p. 622-625
若者の「理科離れ」・「理科嫌い」は, 次世紀の科学技術の発展に支障をもたらすだけでなく, 次世代を担うべき児童・生徒の教育へも深刻な影響を及ぼす恐れがある。義務教育の教員には基本的に理科の全領域の知識が必要とされるが, 理科教育専攻の新入生の高等学校における科目履修率は, 化学以外は70%以下で, 物理・化学・生物の3教科をすべて履修してくる学生はわずかに12%であった。また, 化学は履修率が高いが, 「化学嫌い」の学生が3割にものぼった。このような理科教員養成が抱える問題点を明らかにし, それに対する方策を探った。