化学と教育
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フェノール樹脂の生成機構(有機反応 : どうしてそうなるの 3)
時任 宣博武田 亘弘
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1999 年 47 巻 9 号 p. 618-622

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抄録
熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂は, フェノールとホルムアルデヒドから酸触媒または塩基触媒を用いて付加反応と縮合反応を繰り返すことにより合成される。酸触媒では, 付加反応よりも縮合反応が優先してまず直鎖構造のノボラックが生成し, さらに硬化剤と反応させることによりフェノール樹脂が得られる。これに対し塩基触媒では, 縮合反応は遅く付加反応が優先してまずレゾールが生成し, さらに加圧, 加熱することによりフェノール樹脂が合成される。酸触媒を用いた反応と塩基触媒を用いた反応の違いについてその反応機構を解説した。
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© 1999 公益社団法人 日本化学会
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