抄録
中学生は,小学校以来の学習で,"身の回りの物質"に関する観察・実験をいくつも行ってきている。また,家庭生活でも身の回りにいろいろな化学的な変化がある。しかし,そうしてみてきた現象を系統的に「化学変化」と捉えるところまではいたっていない生徒も多い。教科書の内容に沿って,「べっこうあめとカルメ焼きづくり」,「炭酸水素ナトリウムの熱分解」および「水の電気分解」を行った。この一連の実験は以前からよく知られているが,とくに近年,中学生の実験技術上の問題などにより,昔と同様な実験が行いにくい状況になっていると感じた。このような実験について,実験方法・考察の仕方など授業を展開する上での工夫とそれに対する生徒の反応とを合わせて述べたい。