2012 年 60 巻 7 号 p. 298-299
大学生の一般教養科目の受講形態を見ると,理系は理系の授業を,文系は文系の科目を取ろうとする傾向が明らかに見られる。このような大学生の傾向は,多分に高校で行われていた現行理科カリキュラムの影響であろうと思われる。高等学校新教育課程で行われる物理,化学,地学,生物の各理科分野のバランスのとれた授業実施により,このような文系と理系の分極化傾向が解消されることを期待したい。また,新教育課程の「化学基礎」「化学」の授業項目を現行の「化学I」「化学II」の内容と比較し,その問題と課題を述べた。社会問題と化学と関わりを生徒に意識させ,生徒にできるだけ能動的な学習態度を身につけさせることが必要である。