化学と教育
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滴定による定量 第2回 : 非水滴定による弱酸または弱塩基化合物の定量(分離・分析の化学)
朝本 紘充
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2015 年 63 巻 6 号 p. 302-305

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抄録

非水滴定とは,酸塩基反応を利用した中和滴定法に属する分析法であり,主に医薬品中の弱酸性または弱塩基性化合物の定量に用いられる。非水滴定は一般的な水溶液中での滴定と異なり,非水溶媒中において溶質の酸または塩基の性質が強まる現象を利用した方法である。そのため,非水滴定を応用することで,水溶液中での中和滴定では定量が困難な非常に弱い酸性または塩基性化合物についても,容易な滴定操作で定量することが可能になる。本稿では,こうした非水滴定の特徴を理解するうえで重要な,非水溶媒中における酸塩基平衡の取り扱いについて説明したのち,実際に医薬品の分析で応用されているいくつかの実験例について概説する。

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© 2015 公益社団法人 日本化学会
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