2017 年 65 巻 10 号 p. 520-523
光を化学反応を推進するエネルギーとしてだけでなく,化学反応を操る刺激として用いる,光応答性触媒の開発が近年進められている。光応答性触媒は,非侵襲性の光を外部刺激として用い,反応系中において可逆的に触媒機能を切り替えるため,化学反応を段階的に高次に制御し得る有用な化学変換ツールとして捉えることができる。光による可逆的な触媒機能の切り替えは,光応答性の触媒構造変換(触媒反応空間の構造変換)によって実現されており,フォトクロミック分子の光応答性の構造変換が利用されている。光応答性の触媒構造変換に基づく,①協同機能性触媒の協同機能制御,②触媒活性中心の遮蔽環境制御,③触媒活性中心の電子状態制御等によって,触媒機能の切り替えが実現されている。次世代型化学反応制御に向けた新たな光の利用が展開されている。