化学と教育
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ヘッドライン 人物化学史:燃焼編
カール・ウィルヘルム・シェーレ:もう一人の酸素ガス発見者
内田 正夫
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2017 年 65 巻 8 号 p. 380-383

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抄録

プリーストリによる,燃焼と呼吸を支える新しい空気=酸素ガス発見の報はラヴォワジエの燃焼の研究を深化させ,ラヴォワジエは元素としての酸素を中心におく新しい化学の体系を構築した。この近代化学創始の契機となった酸素ガスはどのようにして発見されたのだろうか。前項で紹介されたプリーストリと同時期に,実際上はプリーストリよりも2~3年早くから,このガスを発見してその性質を詳しく調べていたもうひとりの化学者がいた。カール・ウィルヘルム・シェーレ(1742~1786)である。本稿では,酸素ガスを発見し,その他多数の化学物質を発見・研究したシェーレの活動を紹介する。

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