化学と教育
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新・講座:芳香族化合物の化学~構造と反応~
広がる芳香族化合物の世界
斎藤 雅一
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2020 年 68 巻 6 号 p. 262-265

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抄録

ベンゼンの発見以来,ベンゼン環を有する化合物は芳香族化合物とよばれている。しかし今日では,芳香族化合物はベンゼン環を有するものに留まらず,様々な構造をもつものが知られるようになった。本稿では,骨格に高周期14族元素を含む芳香族化合物,ベンゼンとは異なるトポロジーで発現する芳香族性(メビウス芳香族性)を有する化合物,およびベンゼンのようなπ電子で発現する芳香族性ではなく,σ対称性軌道によって発現するσ芳香族性を有する化合物について紹介する。

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© 2020 公益社団法人 日本化学会
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