抄録
【はじめに】患者が疾患の管理を自分自身で行い,日常生活やQOLを維持し,重症化を予防するために必要な行動を起こすための動機や技術,自信(自己効力感)を育てることが重要であると報告されている.今回,本人の性格や役割に着目したセルフマネジメント教育を行うことで行動変容へ繋がった症例を経験したため報告する.【症例提示】60代前半の男性.疾患名は肺炎.既往歴としてリウマチ肺,慢性閉塞性肺疾患(以下:COPD)があり,在宅酸素療法(以下:HOT)を実施している.【方法】急性期の段階よりコンディショニングを開始し,徐々に全身持久力トレーニング・筋力トレーニングを開始.また,本人の性格を生かしたセルフマネジメント教育を実施.【結果】セルフマネジメント能力向上が図れた結果,低酸素を起こさない動作の獲得に繋がった.また,区長の役割が負担になっていると自己にて判断し,役割を他人へ引き継ぐという行動を起こした.【結語】セルフマネジメント教育は疾病管理のみでなく本人の生き方・価値観を変化させるものであり,本人の強みを生かしたアプローチが重要である.