2021 年 69 巻 7 号 p. 280-283
教員を目指す学生は,高等学校での実験経験が少なく,授業に実験をどのように取り込めばよいのか,実験のアイディアをどのように集めて考えるのか不安を持つ者が少なくない。中等教育で理科を指導する際の実験指導を東京学芸大学キャリア講座の中で実践してきた。講座の振り返りには,簡単な現象を実験で理解させるべきことや,実験を通して化学の面白さを「魅せる」ことの大切さ等が示されていた。教員志望の学生に,理学部レベルの実験の技能を身につけさせることも確かに大切であるが,教員養成大学ならではの実験指導も必要である。