2022 年 70 巻 7 号 p. 336-343
生体内では生命活動を維持しそれを次世代に継承するためにタンパク質や核酸(DNA, RNA)などの生体分子が活躍している。しかし,それらのいわゆる「生体分子」だけが生命現象の担い手ではない。「生体分子」が機能を発揮するためには「水」という物質の存在が不可欠である。近年,タンパク質などの生体分子に「認識」された水の構造や機能を記述する統計力学理論(RISM/3D-RISM)が提案され,生命科学分野に大きな進展をもたらしつつある。本稿ではこの理論とその応用例について解説を行う。