化学と教育
Online ISSN : 2424-1830
Print ISSN : 0386-2151
ISSN-L : 0386-2151
70 巻, 7 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
Color Gallery
化学教育 徒然草
ヘッドライン 第28回化学教育フォーラム「新しい高等学校学習指導要領と化学教育」
  • —変わること,変わらないこと—
    松岡 雅忠
    2022 年 70 巻 7 号 p. 320-323
    発行日: 2022/07/20
    公開日: 2023/07/01
    解説誌・一般情報誌 フリー

    新学習指導要領の特徴は,学習評価の観点が「知識・技能」,「思考・判断・表現」,「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理されたことにある。探究の過程を重視した授業づくりが期待されているが,実験・観察など,化学教育の根幹ともいえる部分の重要性はいささかも変わらない。また,教科書編纂においては,日本化学会からの提案が大きく反映されている。本稿では,新課程における学習評価,「化学基礎」の教科書の記載内容の変更,思考・判断・表現を問う例題などを紹介する。

  • —いきあたりばったりにならないために—
    福野 勝久
    2022 年 70 巻 7 号 p. 324-327
    発行日: 2022/07/20
    公開日: 2023/07/01
    解説誌・一般情報誌 フリー

    今春から実施される学習指導要領では実験の授業の扱い方について非常にたくさんの示唆がなされている。しかし,この4年間,学校現場では次々と課題が湧き,腰を据えて新しい学習指導要領の準備をできた現場は少ないのではないだろうか。そこで,本稿では(恐れ多くも)カリキュラム整理術と題して,新しい学習指導要領の掲げるカリキュラムに迫るために,実験を「実施のタイミング」「検証型・探究型」の二軸で分類したり,各実験について育みたいスキルを列挙することを通じて,カリキュラムの整理を行うことを提案したい。

  • —高校現場の実践から考える—
    松浦 紀之
    2022 年 70 巻 7 号 p. 328-331
    発行日: 2022/07/20
    公開日: 2023/07/01
    解説誌・一般情報誌 フリー

    生徒が自然科学に関する知識を深めながら,多様な価値観を有する他者と協働することは,新たな視点を獲得し,新しい知見や価値,発想の源泉となる「飛躍知」の育成につながる。これまで,著者の勤務校では深化された探究活動と探究化された教科授業との間を往還により「飛躍知」の育成を目指してきた。本稿では,化学の授業に焦点を当て,理科の他科目との融合,理科と数学との融合授業に関する実践から,これからの時代に求められる化学教育について考える。

実験の広場
役立つ実験情報
SSHただ今活動中!
新・講座:水の化学Part 2
  • 平田 文男
    2022 年 70 巻 7 号 p. 336-343
    発行日: 2022/07/20
    公開日: 2023/07/01
    解説誌・一般情報誌 フリー

    生体内では生命活動を維持しそれを次世代に継承するためにタンパク質や核酸(DNA, RNA)などの生体分子が活躍している。しかし,それらのいわゆる「生体分子」だけが生命現象の担い手ではない。「生体分子」が機能を発揮するためには「水」という物質の存在が不可欠である。近年,タンパク質などの生体分子に「認識」された水の構造や機能を記述する統計力学理論(RISM/3D-RISM)が提案され,生命科学分野に大きな進展をもたらしつつある。本稿ではこの理論とその応用例について解説を行う。

  • 山口 敏男
    2022 年 70 巻 7 号 p. 344-347
    発行日: 2022/07/20
    公開日: 2023/07/01
    解説誌・一般情報誌 フリー

    水は,地球表面の7割を覆っており,成人のヒトの体重の7割を占める。水は地球に生命が誕生するために,また地球上の動植物の生命活動に不可欠な液体である。水は,正常な液体に比べて多くの異常性を示す。水の構造や特性は1世紀以上にわたり研究されてきたが,現在も水の本質を解き明かすモデルが活発に研究されている。近年,種々の実験技術の進歩により,広い温度圧力領域や特殊環境下での水の構造が明らかにされている。

  • 田中 賢
    2022 年 70 巻 7 号 p. 348-351
    発行日: 2022/07/20
    公開日: 2023/07/01
    解説誌・一般情報誌 フリー

    医療製品の開発には,生体に接触する環境で安全に機能する生体親和性に優れたソフトバイオマテリアルが必須である。医療製品は,使用する前の滅菌済みの乾燥状態から,使用時にはウエットな状態に変化する。本講座では,製品使用環境で存在する水の視点を考慮し,材料と生体の接触点であるバイオ界面の設計における課題と進展について概説する。生体親和性に強く影響する材料—細胞間相互作用には,多くの因子が関与している。我々は,生体親和性合成材料と生体分子に形成される水の状態を調べ,特定の構造と運動性を有する中間水が共通点であることを明らかにした。中間水のバイオ界面における役割について考察する。

産学連携企画「こんな『研究と教育』が面白い」
委員長発 SOMETHING NEW
feedback
Top