2025 年 73 巻 1 号 p. 8-11
がん細胞はグルコース飢餓を経ると代謝産物濃度を時間・空間的に振動させながら糖代謝を行うという,解糖系振動を起こすことがわかってきた。細胞実験と数理モデル研究から,解糖系を活発に利用(亢進)するがん細胞ほど高い周波数で解糖系振動を起こすことが推論された。一方,100年来のがんの糖代謝研究から,解糖系の亢進はがんの悪性度を左右する決定的要因であるとされてきた(Warburg効果)。本稿では,がん細胞の解糖系振動の特徴とそれを利用したがんの悪性度診断の可能性や将来展望について述べる。