日本東洋医学雑誌
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東洋医学の広場
シンガポールの中医学校の現状
松岡 尚則村崎 徹栗林 秀樹
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2008 年 59 巻 3 号 p. 507-510

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抄録

2003年新加坡中医学院を見学し,シンガポールの中医学校制度について報告した。教材はシンガポール独自のものでなく,中華人民共和国製の教材を使用していた。1994年シンガポール保健省は,伝統中医薬委員会に中医学(TCM)の診療についてのレビューを行うよう指示を出し,患者の利益と安全を守ることを調べるように勧告した。1995年シンガポールのTCMの診療をコントロールし,トレーニングの水準を上げるようにと勧告した委員会の報告が出された。カリキュラム改変の指示を受け,1996年政府保健省の指示に沿う形で,中医学院は西洋医学の基礎学習を充実させ,3年全日制と6年夜間部2コースの設置となった。2000年より全国統一試験が始まり,資格として認められるようになった。シンガポールは,WHOのサポートやNCCAMのグラントを積極的に受け入れ,伝統医学教育,研究に関して,シンガポールは精力的に推進しようとしていると考えられた。

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© 2008 一般社団法人 日本東洋医学会
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