日本東洋医学雑誌
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臨床報告
強い気虚,不眠がある抑うつ傾向の患者に加味帰脾湯を投与したところ月経前症候群のみならず月経痛にも奏効した3症例の検討
山﨑 麻由子木村 容子佐藤 弘
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2014 年 65 巻 4 号 p. 273-277

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抄録

強い気虚や不眠,抑うつを呈する患者に対して随証治療を進めて加味帰脾湯を投与したところ,月経前症候群(PMS)の精神症状だけでなく,月経痛も軽減した3症例を経験したので報告する。症例1は26歳女性で月経前のイライラ,乳房痛,月経痛を訴えていた。疲労感などの気虚が強く不眠も認めたため加味帰脾湯を処方したところ,不眠と倦怠感の改善とともにPMS 及び月経痛も軽快した。症例2は38歳女性で疲労倦怠感が強く,不眠,月経前のイライラを認めたため加味帰脾湯を処方した。倦怠感の改善に伴いPMS 及び月経痛も軽快した。症例3は31歳女性で膀胱炎を繰り返し,倦怠感が強く不眠や憂うつ感もみられた。加味帰脾湯を処方したところPMS や月経痛の軽快だけでなく膀胱炎も再発していない。
加味帰脾湯は帰脾湯に柴胡・山梔子を加味した処方である。気虚が強い患者で不眠や抑うつ傾向があり,PMS や月経痛を訴える場合に有効であると考える。

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© 2014 一般社団法人 日本東洋医学会
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