日本東洋医学雑誌
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調査報告
日本のモグサ製造の現状について
─モグサ製造業者へのアンケート調査─
松本 毅形井 秀一
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2015 年 66 巻 2 号 p. 140-146

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抄録

日本では,他の国にはない,精製度の高いモグサが作られている。しかし,近年,中国産ヨモギが輸入され,それを原料とした製品も販売されているが,それらの現状は,詳しく報告されていない。そこで,日本国内のモグサ製造,加工,国内卸業を行っている14社に対して,2011年11月16日に郵送で,製造の現状と問題点など15領域29項目について,アンケート調査を実施した。その結果,有効回答は,14社中12社(85.7%)で,仕入れについては,ヨモギの葉が,国内産88t,外国産45t,モグサが,国内産13t,外国産50t だった。製造時期は,11月下旬から3月下旬頃までであった。製造用機器は,石臼,長通し,唐箕などで,多くは職人により手作りで製作されていた。今回の調査では,ヨモギやモグサの納入や輸出に関する事柄,製造や製造機器に関する現状,また,製造業者の抱えている問題点や今後の展望などについて検討することができた。

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© 2015 一般社団法人 日本東洋医学会
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